リアルな痕跡を刻むオリジナルプリントを
カプラムマニア版画工房では、銅版画を中心とした版画の制作、出版を行っています。版画作品は大きく分けて作家が直接手を加え、色味の判断をするオリジナルプリントと原画を元にプリンター(刷師)が全ての製作工程を担うエスタンプ(複製版画)があります。当工房では作家自ら直接版に向き合い、プリンターがアドバイスとサポートをしながら進めていくオリジナルプリントを制作しています。銅という抵抗のある材質はごまかしが効かず、タブローに劣らないリアルで切実な表現を写し取ります。技術の発展とともに人のニーズや価値観は目まぐるしく変容し、版画芸術もまた多様な価値観とともに形を変えつつあります。変化に背を向けてでもリアルな痕跡を残していきたい。コミュニケーションから始まる表現
銅版画はツールを使った直接法、腐食液を使った間接法があり、またそこから枝をはったように多様な技法が存在します。作家の表現特性、思い、コンセプトなどを知るとこから始まり、現実的な技法から切口を考案し進めていきます。そこには作家とプリンターのコミュニケーショは不可欠であり、表層だけの判断では成り立たない制作だと思っています。作家とプリンターが同じ時間と空間を共有し、パズルのピースを探り出し組み立てていく制作空間を目指しています。銅版画技法からみる表現の可能性
銅板に力学、化学的要素を加え凹部を作り、インクを詰めることで紙に転写されます。銅版画が誕生し5世紀の時間経過は多様な技法を生み出し古典的な技法として受け継がれていますが、時代の変化と共に新たな道具や物質の反応を利用することで、まだまだ表現の幅を秘めていると思います。それはインクの転写に限らず、限定品(エディション)という視点からでさえもプレス機の圧力を利用した表現であっても構いません。その裾野の広がりは作家の表現の多様性によって生まれますし、プリンターがそれに応えることで形作られていくものだと思っています。PRINT MAKING -制作の流れ-
FACILITIES -技術提供-
EQUIPMEINT -設備-
Master Printer 刷師 - 藤井章人 Fujii Akihito1994 | 画家ブライアン・ウィリアムズの銅版画ワークに携わる |
1997 | 成安造形大学洋画科卒業 |
1998 | 元Crown point press - Master printer ポール・マローニー氏に師事(現MULLOWNY PRINTING COMPANY) |
1999 | 自らの版画作品制作に取組む |
2001 | サンフランシスコ/Crown point press - インターンシップ |
第46回 CWAJ PRINT SHOW 入選・出展販売 | |
2002 | 日本ギャラリーネットワーク(G.N.A)企画、作家:吉永 裕氏版画制作 徳源寺プレスのアシスタントプリンターとして携わる |
2003 | ウォータレスリトグラフ考案開発者・ニック・スメノフ氏からウォータレスリトグラフの技術を学ぶ |
東レ印刷から水なし平版材を提供、ニック・スメノフ氏の技術を生かし、銅版画プレス機によるウォータレスリトグラフの研究・実用化 | |
2005 | 第50回 CWAJ PRINT SHOW 入選・出展販売 |
2007 | 第52回 CWAJ PRINT SHOW 入選・出展販売 |
2012 | 佐川美術館ワークショップサマーフェスタ 銅版画ワークショップ講師 |
エッシャー展 - 佐川美術館 イベント「M.C.エッシャーに挑戦 パズルリトグラフ(版画)づくり」講師 |